『宗教信仰復興叢書』と出版・活動助成
法人活動の一つの軸として、全7巻の叢書を出版します。宗教信仰が現代日本において今後持ってゆく重要な役割を、多数の執筆者が問いかけ、調査し、明らかにします。同様な視点から行われる出版及び会議や支援など諸活動も助成金を出すことで、支援しています。良好な案件をいつも法人として探して助成する方針です。ここではそれらの実績を一覧にして、ご紹介いたします。

『宗教信仰復興叢書』

一般社団法人日本宗教信仰復興会議監修 『宗教信仰復興叢書』全7巻+別巻 島薗進編 

第1巻 島薗進編『宗教信仰復興と現代社会』

世俗的合理主義がますます勢いを強めているように見えるが、超越性や規範性を失ったかに見える精神状況への不満も大きい。こうしたなかで宗教信仰復興への動きはどのような形で見出されるのか。主に日本を念頭に考えていく。本叢書の提起する諸課題を巡る基本的な論考集、当法人理事の座談会など。

第2巻 弓山達也著『生きる力とスピリチュアリティ』

本書は東日本大震災の学生ボランティアや後方支援の地域住民の活動を主軸に、市井の人々の「生きる意味」の探求、「生きる力」の涵養を「スピリチュアリティ」ととらえ、その姿を筆者自らが現場に身を投じて追っていく。また危機と宗教性を巡り、被災者や障害児のママさんたちの地域活動、大学生の被災地でのボランティア活動など、「生きる力」、「生きる意味」、「いのち」とは何か問う。

第3巻 鎌田東二著『霊的暴力と宗教の力動―オウム真理教事件と文学的想像力』

宗教的暴力の根幹にある体験や修行の負の局面を考察し、それがナショナリズムや国家的暴力と結びつくとどういうことが起るのか? それに向き合う個の文学的想像力と未来への希望を具体的な作家と作品分析を通して考えていく。

第4巻 島薗進著『現代日本の在家仏教運動の革新』

20世紀の日本で法華=日蓮系の在家仏教運動が、大きく勢力を伸ばした理由について考える。霊友会系の諸教団と創価学会が典型的だが、現世救済思想という点にその特徴があるが、その仏教の救済思想上の革新について考察する。

第5巻 水谷周著『絶対主の覚知と誓約―イスラームのこころと日本』

日本の宗教信仰復興に、イスラームは貢献できるのか。第一部で生きがいや死生観を論じる。第二部では「イスラームのこころ」の中核として、絶対主の覚知と誓約を平易に解説する。それは安寧の心境である。

第6巻 寺戸淳子著『被る人々――ラルシュとジャン・バニエ』

知的な障害がある人とボランティアの若者が共に生活する〈ラルシュ〉共同体に、現代社会から排除されている「「被る」経験(生命、暴力、「友愛」を)」に「共に向きあう場」としての意義があることを論じる。

第7巻 鎌田東二編『現代日本の宗教信仰とスピリチュアリティ』

21世紀になって、気候変動による自然災害の多発とも連動するかのように、宗教が関わる事件や紛争も多発している。世界は激烈な「経済戦争」や「資源争奪」の争いの中にあり、さまざまなレベルでの格差や差別も生み出されて来ている。本巻では、そうした現代社会の諸問題を見すえながら、現代日本の宗教信仰とスピリチュリティを探っていく。多様な執筆陣と関係者の座談会など。

出版・活動助成

水谷周『信仰の滴』(国書刊行会、2022年)の出版助成

信仰の諸相を随筆風に綴った内容。祈ること、信心と俗心、信仰の場面、信仰の今昔など。最終章の「信仰と科学」には、当法人理事全員が寄稿(死生学、医療、身心変容技法、スピリチュアリティー、イスラームと科学)。

鎌田東二著『絶体絶命(第四詩集)』(土曜美術社出版販売、2022年5月30日刊)の出版助成

ウクライナ情勢はじめ、この世のものとも思われぬ悲惨さを眼前にしての絶叫詩集。いのちの根源に訴える内容は、信仰の原点に直結するものとなっている。

東北大学実践宗教学寄付講座に協力

右講座は東日本大震災の惨状を踏まえて、多方面からの寄付などを財源として設置された。臨床宗教のあり方を探求し、ひいてはそれは信仰復興に資するものと期待される。このような趣旨と期待に鑑みて協力した。

ウクライナ緊急人道支援募金活動に協力

世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会が推進、日本ムスリム協会と連携して右募金に協力した。

大規模事業の図録集作成助成

今秋、京都での多岐に渉る企画(4つのシンポジウム、絵画・写真・彫刻展示、鎮魂能舞、茶会、献華など)であった「悲とアニマ~いのちの帰趨II」は「悲」を日本文化の要件と位置付け、それも踏まえ「いのち」に焦点を当てる貴重な機会となった。全事業は盛況の中に終了したところ、その図録集の作成につき助成。2022年3月~5月頃完成見込み。

須田郡司氏による、22年度東北被災地記録巡回写真展などの開催を助成

先般、12月初めには本展示会とトーク・ショーが都内で熱心な参加者を得て成功裏に開催された。来年度はそれを受けて実施される。

(1)須田郡司写真展を2022年4月29日~5月4日に金沢のギャラリー「椋」で(シンポジウムは金沢星稜大学で行なう予定)行ない、須田郡司氏らのトークイベントとミニライブを開催。

(2)7月22日を挟む1週間程度、沖縄県立美術館か那覇市内のいずれかのギャラリーで同様の展覧会とトークイベントを開催。

(3)2022年9月末か10月初旬に、御殿場のありがとう寺(住職 町田宗鳳氏)展覧会とトークイベントと酒井知里・鎌田東二の歌舞音曲を開催予定。

アルバム「絶体絶命」の制作

曽我部晃(シンガーソングライター・プロデューサー・移動おもちゃ美術館館長)プロデュース・編曲による『絶体絶命』アルバム制作(作詞作曲・歌:鎌田東二、2022年7月22日リリース)。アルバムの趣旨は、「絶体絶命」の危機にある現代の状況を「みなさん、天気は死にました」と捉え、その中での悲嘆や苦悩の叫びと光明の探究、そして希望の希求を表現する。冒頭歌は「神ながらたまちはへませ」で、12曲目の最終歌は「巡礼」、その間に、「銀河鉄道の夜」など10曲を挟む。

「いのちの研究会」への活動助成

同研究会は加藤眞三慶応義塾大学名誉教授により推進されるが、連続7回シンポジウムを実施予定。命の重要性、医療の新しいあり方、死生学など。この10月10日、御殿場の「ありがとう寺」(住職は町田宗鳳広島大学名誉教授)において、第1回が開催され、濃密な議論が行われた。次回は来年2月予定。

水谷周・鎌田東二共著『祈りは人の半分』(国書刊行会、2021年)出版への助成

希望を持ち願い事をするのは人間として自然な営み。そこでそれは「人の半分」と見なし、それをもっと社会の前面に押し出すことは人間復興になると説く。自殺大国を克服し、命の大切さを再確認し、難民受け入れなど一層開かれた社会実現のためには、そのような共通の人間認識が基礎となる。

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遠藤邦夫氏『水俣病事件を旅する』(国書刊行会、2021年)出版への助成

メチル水銀中毒症はなぜ<水俣病>と呼ばれたのか。半世紀前の出来事=<事件>の意味をとらえなおし、負の遺産が未来への知的財産となりうることを示す。コロナ禍に苦しむ現在の日本と世界にとり、「水俣病は地域最大の遺産」という逆説的なメッセージに、励まされるものがある。

緒方正実氏 『祈りのこけし』活動への助成

白木のこけしは、約4000体が各方面(天皇皇后両陛下、国連議長など)に寄贈、展開されている。その由来は水俣湾埋め立て地にある実生の森の木の枝で彫った「こけし」だが、「命の大切さ」と水俣病のような悲劇が繰り返されないよう願いを込めて彫り続けられている。 白木のままで、目や鼻や口を描いていないのは、未完成の意味。受け取る人の思いの中で完成させるよう期待されている。

『イスラーム用語の新研究』(水谷周、国書刊行会、2021年)出版への助成

まだ日本で新しいイスラームを語る用語の正確な理解は必須である。アッラー、聖概念はないこと、慈悲、魂と精神、称賛と賛美、マスジドなど、見慣れた言葉の意味合いを深堀する。

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巨石カメラマン須田郡司氏の東日本大震災被災支援関連の巨石写真展、講演、執筆などの諸活動への助成

活動の詳細は本HPの行事・活動・講演欄をご覧下さい。

『ミュージック・サナトロジー:やわらかなスピリチュアルケア』(里村生英、春秋社、2021年5月公刊予定)出版への助成

本書は緩和ケアの一領域である「ミュージック・サナトロジー」 の検討を通して、 「死に逝く人へのケア」における「音楽経験」の持つ意味を考察する。

「宗教者災害支援連絡会」活動への助成

同連絡会は2011年の東日本大震災を契機に展開されてきた諸宗教の支援活動について、関係方面の情報・連絡のために創設された。それは復興における宗教的な役割を明らかにするとともに、多くの人びとのこころを支える基盤作りにもなってきた。代表島薗進

「悲とアニマII」開催への助成

2015年の「悲とアニマI」を受けて、2021年11月12日~28日、「悲とアニマII」が開催される。それは「現代京都藝苑2021」(宗教家、研究者、芸術家、行政など)主催で、いのちの帰趨をテーマに、彼岸と此岸の両側面を2会場に分けて実施される。様々な展示会、シンポジウムなどが含まれ、大震災、コロナなどの時代を通じての、いのちの価値とそのあり方について、見て、聞いて、考える機会を提供。実行委員長鎌田東二

『現代イスラームの徒然草』出版への助成

同著はエジプトの思想家アブマド・アミーン(1954年没)の膨大な随筆集からの抜粋だが、科学と信仰、伝統と刷新など、広く現代社会における宗教信仰と人生を語っている珠玉の内容となっている。政治的ではないが、イスラームにおける思索として貴重な光を当てている作品。編訳者水谷周、国書刊行会出版。

『宗教の意味と終極』(ウィルフレッド・キャントウェル・スミス、国書刊行会、「シリーズ宗教学再考」第8巻、2021年)出版への助成

「宗教」概念の形成過程を辿り、それに代えて「累積的伝統」と「信仰」の二概念を使用すべしとする、現代の古典。